皆さん、こんにちは。東京デンタルスクール 岡田です。
当然スクールは週1回3時間から個別指導で受講可能な歯学部生1年~6年生の定期テスト、CBT、卒業、そして歯科医師国家試験対策(既卒生も対象)を行っています。秋葉原校(東京)、松戸校(千葉)、オンライン個別校を選択できます。すべてマンツーマン個別指導です。
本日は、119D82で出題されました歯科医師国家試験の口腔病理学・口腔外科学で押さえておきたい「原発性骨内癌」について解説していきます。
原発性骨内癌は比較的まれな悪性腫瘍ですが、発生する場所や由来を理解することで、ほかの顎骨疾患との違いが非常にわかりやすくなります。
それでは、一つひとつ確認していきましょう!
① 原発性骨内癌とは?
原発性骨内癌は、顎骨内部に原発する、まれな悪性腫瘍です。
ここで最初に理解しておきたいのが、一般的な口腔扁平上皮癌との違いです。
通常、口腔扁平上皮癌は舌や歯肉などの口腔粘膜上皮から発生し、進行すると顎骨に浸潤する場合があります。
一方、原発性骨内癌は、最初から顎骨内部に発生する癌です。
つまり、
・扁平上皮癌(口腔):口腔粘膜から発生し、顎骨へ浸潤することがある。
・原発性骨内癌:顎骨内部から発生する。
② 原発性骨内癌は何から発生する?
原発性骨内癌は、歯原性上皮に由来すると考えられています。ここで、歯の発生を思い出してみましょう。歯の形成過程では、歯堤やエナメル器などの歯原性上皮が関与します。これらの上皮の一部は、歯の形成が終了した後も顎骨内や歯周組織に残存することがあります。
代表的なものが、
・マラッセの上皮遺残
・歯堤の遺残
などです。
原発性骨内癌は、こうした歯原性上皮の遺残や歯原性嚢胞の上皮などから発生すると考えられています。
③ 好発部位はどこ?
原発性骨内癌は、上顎よりも下顎に多く発生します。特に重要なのが、下顎臼歯部から下顎枝にかけての領域です。また、中高年の男性に多い傾向があります。
④ どのような症状が現れる?
代表的な症状には、次のようなものがあります。
・顎骨の腫脹
・疼痛
・歯の動揺
・下唇やオトガイ部の知覚異常
・進行した場合の開口障害
特に注目してほしいのが、知覚異常です。
下顎骨内には下歯槽神経が走行しています。
そのため、下顎骨内部で悪性腫瘍が増大すると、下歯槽神経に影響を及ぼし、下唇やオトガイ部にしびれが生じる場合があります。
このような症状は、いわゆるオトガイ神経麻痺として現れる場合があります。
ただし、オトガイ部の知覚異常は原発性骨内癌だけに特有の所見ではありません。
顎骨内のほかの悪性腫瘍や転移性腫瘍などでも生じるため、鑑別診断が重要になります。
国家試験でも、腫脹や疼痛だけでなく、知覚異常が加わった場合には、悪性疾患の可能性を考える習慣をつけておきましょう!
⑤原発性骨内癌の病理組織像は?
原発性骨内癌・非特定型では、扁平上皮癌の組織像を示すことが一般的です。
そのため、
・扁平上皮細胞の異型
・核の大小不同
・周囲組織への浸潤
など、扁平上皮癌としての悪性所見が認められます。
ここで大切なのは、病理組織像だけで原発性骨内癌と断定することはできないという点です。なぜでしょうか?
顎骨に浸潤した口腔扁平上皮癌でも、顎骨に転移した扁平上皮癌でも、類似した組織像を示す場合があるためです。
⑦ 最も重要なのは鑑別診断!
原発性骨内癌を理解するうえで、特に重要なのが以下の3つです。
1.口腔扁平上皮癌の顎骨浸潤
歯肉などの口腔粘膜から発生した癌が、顎骨に浸潤したものです。
これは原発性骨内癌とは区別します。
2.転移性顎骨腫瘍
肺癌や乳癌など、他臓器に原発した悪性腫瘍が顎骨に転移したものです。
顎骨内に悪性腫瘍があるからといって、必ずしも顎骨が原発とは限りません。
3.ほかの悪性歯原性腫瘍
エナメル上皮癌など、別の組織学的特徴を持つ悪性歯原性腫瘍との鑑別も必要になります。
原発性骨内癌・非特定型という診断は、こうしたほかの疾患を除外することが重要です。
なお、進行例では原発性骨内癌が皮質骨を破壊して口腔粘膜に及ぶこともあります。したがって、診断時に粘膜との交通があったとしても、その所見だけで発生由来を判断することはできません。
⑧ 治療方法は?
治療の基本は、外科的切除です。また、進行度、切除断端、リンパ節転移などを考慮し、術後放射線療法や化学放射線療法などを検討する場合があります。ただし、原発性骨内癌は非常にまれな疾患であり、治療に関する質の高い比較研究は限られています。そのため、実際の治療では腫瘍の進展範囲や病理組織学的所見などを踏まえ、個別に方針を決定します。
⑨ 国家試験ではここを整理!
最後に、今回の重要事項をまとめておきましょう。
・原発性骨内癌は、顎骨内部に原発する悪性腫瘍である。
・歯原性上皮の遺残や歯原性嚢胞などとの関連が考えられている。
・好発部位は下顎臼歯部から下顎枝である。
・悪性腫瘍の所見である顎骨の腫脹、疼痛、知覚異常などがみられる。
・画像では骨破壊像や境界不明瞭な透過像が重要である。
・口腔の扁平上皮癌の顎骨浸潤や転移性顎骨腫瘍との鑑別が必要である。
特に、「顎骨内部から発生する癌」と「口腔粘膜から発生して顎骨に浸潤する癌」は異なるという点を、確実に理解しておきましょう。
歯科医師国家試験では、一つの疾患を単独で覚えるのではなく、関連する疾患と比較して理解することで、知識がより定着します。
今回の原発性骨内癌についても、発生由来、好発部位、症状、画像所見、鑑別診断まで一連の流れで整理しておきましょう。
引き続き、一つひとつの知識を着実に積み重ね、国家試験合格に向けて頑張っていきましょう
歯学部1~6年生・既卒生の進級、CBT、歯科医師国家試験対策
東京デンタルスクールでは、歯科医師講師によるマンツーマン個別指導を行っています。
オンライン教室、秋葉原教室、松戸教室から選択可能です。歯学部の定期試験、進級、CBT、卒業試験、歯科医師国家試験まで、一人ひとりの状況に合わせてサポートします。
学生様・保護者様ともに、お気軽にご相談ください。
資料請求・お問い合わせ
https://www.dentist-school.com/
書籍・教材
『歯科ナビ』『精鋭問題集』『臨床実地問題集』
https://www.dentist-school.com/teaching_aids2
無料公開講義450本以上
https://www.youtube.com/c/tokyodental
東京メディカルスクール 総合窓口
☎ 03-6802-5260
受付時間:9:00~23:00(年中無休)
