ニボルマブ・ペムブロリズマブ
~免疫チェックポイント阻害薬とニボルマブ。本庶佑先生~
皆さん、こんにちは。東京デンタルスクールの岡田です。本日は、近年のがん治療において重要な役割を担っている「ニボルマブ」と「ペムブロリズマブ」について、歯科医師国家試験で押さえておきたいポイントを解説していきたいと思います。
この2つの薬剤は、いずれも免疫チェックポイント阻害薬に分類されます。
特に、ニボルマブは日本人のノーベル賞受賞者である本庶佑先生の研究と深い関係があり、国家試験も医学史で重要ですので関連づけて覚えていただければと思います。
① ニボルマブとは?
ニボルマブの商品名は「オプジーボ」です。
ニボルマブは、抗PD-1モノクローナル抗体であり、免疫チェックポイント阻害薬の一つです。通常、私たちの体内では、T細胞ががん細胞などを認識し、攻撃する働きを担っています。しかし、がん細胞は、この免疫機能を抑制する仕組みを利用して、T細胞からの攻撃を逃れることがあります。
ここで登場するのが「PD-1」と「PD-L1」です。
PD-1は主に活性化T細胞などの表面に存在する受容体です。一方、PD-L1は一部のがん細胞などに発現する分子です。
この両者が結合すると、T細胞の働きが抑制されます。
簡単に言えば、T細胞にブレーキがかかるということですね。
ニボルマブはPD-1に結合し、PD-L1などとの結合を阻害します。
その結果、T細胞にかかっていたブレーキが解除され、がん細胞を攻撃する免疫機能が働きやすくなるわけです。ここで重要なのは、ニボルマブが直接がん細胞を攻撃するのではなく、患者自身の免疫機能を利用してがん細胞への攻撃を促すという点です。
② 本庶佑先生とノーベル生理学・医学賞
次に、医学史でも重要なのが本庶佑(ほんじょ たすく)先生です。本庶先生らの研究グループは、1992年にPD-1に関する研究成果を発表しました。その後の研究によって、PD-1が免疫反応を抑制する役割を持つことが明らかになり、がん免疫療法の発展につながりました。
そして2018年、本庶佑先生は、アメリカのジェームズ・P・アリソン先生とともに、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
なお、アリソン先生はCTLA-4という、別の免疫抑制分子に関する研究で知られています。
試験対策としては、本庶先生がニボルマブそのものを発見したというよりも、ニボルマブの開発につながるPD-1の研究に大きく貢献したと理解してください。
③ ペムブロリズマブとは?
続いて、ペムブロリズマブです。商品名は「キイトルーダ」です。
こちらもニボルマブと同様に、抗PD-1モノクローナル抗体に分類されます。
つまり、作用機序は基本的に共通しています。
ここは非常に重要です。
「ニボルマブはPD-1、ペムブロリズマブはPD-L1」と間違えないようにしてください。
どちらも標的はPD-1です。ただし、薬剤ごとに承認されている適応や投与条件が異なるため、臨床では使い分けが必要になります。
④ 歯科医師国家試験では何が重要?
歯科領域で関連性が高い疾患の一つが、頭頸部癌です。
特に、再発・転移性の頭頸部扁平上皮癌や悪性黒色腫などに対して、免疫チェックポイント阻害薬が使用されることがあります。
ま
た、免疫チェックポイント阻害薬には、一般的な細胞障害性抗がん薬とは異なる副作用があります。
代表的なのが、免疫関連有害事象(irAE)です。
免疫のブレーキを解除することで、正常な組織に対しても過剰な免疫反応が起こる場合があります。例えば、間質性肺疾患、甲状腺機能障害、肝障害、大腸炎、肝障害、1型糖尿病などです。口腔領域では、口腔乾燥、口腔粘膜炎、扁平苔癬様病変などにも注意が必要です。
⑤ 最後に整理しましょう
ここまで、ニボルマブとペムブロリズマブについて確認してきました。
覚えていただきたいのは、どちらも抗PD-1抗体であり、T細胞の働きを抑えるブレーキを解除することで抗腫瘍免疫を高める薬だということです。
また、ニボルマブと本庶佑先生、PD-1、2018年ノーベル生理学・医学賞という関連も整理しておいてください。
国家試験では、薬剤名だけではなく、作用機序と副作用まで理解しておくことで、さまざまな出題に対応できると思います。
それでは最後に、暗記ポイントを確認して終わりにしましょう。
📝 国家試験・最終暗記ポイント
ニボルマブ:商品名オプジーボ
ペムブロリズマブ:商品名キイトルーダ
両者とも免疫チェックポイント阻害薬
両者とも抗PD-1モノクローナル抗体
PD-1:T細胞などに発現する免疫抑制性受容体
PD-L1:一部のがん細胞などに発現するPD-1のリガンド
PD-1とPD-L1の結合:T細胞の働きを抑制
本庶佑先生:PD-1の研究
2018年ノーベル生理学・医学賞:本庶佑先生、アリソン先生
アリソン先生:CTLA-4の研究
歯科領域との関連:再発・転移性頭頸部扁平上皮癌、悪性黒色腫など
副作用:免疫関連有害事象(irAE)
代表的なirAE:間質性肺疾患、大腸炎、肝障害、内分泌障害など
口腔関連の有害事象:口腔乾燥、口腔粘膜炎、扁平苔癬様病変
皆さん、国家試験に向けて引き続き頑張っていきましょう。
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