みなさんこんにちは。歯学部現役生から既卒生まで、マンツーマン個別指導を行っております、東京デンタルスクール【秋葉原校、松戸校、オンライン個別校】 岡田です。
今回は、第119回歯科医師国家試験D43についてミニ講義です。
この問題は、間接覆髄法とIPC法の違いを整理できているかがポイントです。
では、問題を見てみましょう。
119D43
間接覆髄法とIPC法で共通するのはどれか。2つ選べ。
a 覆髄剤の除去
b 裏層材の使用
c ラバーダム防湿の実施
d 感染象牙質の意図的残置
e ケミカルサージェリーの実施
正答:b、c
ポイント
この問題で重要なのは、
間接覆髄法とIPC法は同じではない
ということです。
特に国家試験では、
IPC法=暫間的間接覆髄法
として、通常の間接覆髄法と区別して考えます。
名前が似ていますので、ここは混乱しやすいところです。
間接覆髄法とは
深在性う蝕などで歯髄に近接しているものの、
露髄していない歯
に対して歯髄を保護する方法です。
基本的には感染歯質を除去した後、歯髄に近接した薄い象牙質を介して覆髄剤を使用し、歯髄の保護を図ります。
IPC法とは
IPCは、
暫間的間接覆髄法
として理解しておきましょう。
深在性う蝕で感染象牙質をすべて除去すると露髄する危険性が高い場合に、
歯髄に近い感染象牙質をあえて一部残します。
そこに覆髄剤を使用して一定期間経過をみて、
残存象牙質の硬化
修復象牙質の形成
などを期待します。
その後、再び窩洞を開けるリエントリーを行い、残していた感染象牙質を除去して最終修復へ進みます。
選択肢を確認しましょう
a 覆髄剤の除去 ×
これはIPC法では行われますが、両者に共通するわけではありません。
IPC法では一定期間経過後にリエントリーし、仮封材や覆髄剤を除去して、残存した感染象牙質を処置します。一方、通常の間接覆髄法では、このような再開洞を前提とした処置ではありません。したがって共通項目ではありません。
b 裏層材の使用 ○
正答です。
間接覆髄法もIPC法も、歯髄に近接した部位を保護し、その上から修復・仮封を行います。
そのため、裏層を行うという点は共通します。
c ラバーダム防湿の実施 ○
ラバーダム防湿は両者に共通します。IPC法についても、ラバーダム防湿下での清潔な操作が基本となります。
d 感染象牙質の意図的残置 ×
ここがこの問題で最も重要な選択肢です。
これは、
IPC法の特徴
です。
IPC法では、感染象牙質をすべて除去すると露髄する危険性があるため、
歯髄直上の感染象牙質を意図的に残します。
e ケミカルサージェリーの実施 ×
ケミカルサージェリーは、薬剤などを利用して歯髄組織を化学的に処置する方法です。直接覆髄やアペキソジェネシスなどで行われます。
国家試験ではここを押さえましょう
この問題では細かい術式を全部暗記するより、
普通の間接覆髄法とIPC法の最大の違い
を押さえることが重要です。
間接覆髄法
感染歯質を除去
→ 象牙質を介して歯髄を保護
→ 修復
IPC法
全部取ると露髄しそう
→ 感染象牙質を意図的に残す
→ 覆髄・仮封
→ 経過観察
→ リエントリー
→ 残存感染象牙質を除去
この流れです。
つまり、IPC法を見たら、
「あえて残す」
「時間をおく」
「もう一度開ける」
この3つをセットにしてください。
一方、両者に共通するものとして、
裏層材の使用
+
ラバーダム防湿
を押さえておけば、この問題は解けます。
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