2016年6月4日土曜日

尊厳死、糖尿病 医師国家試験対策



東京メディカルスクール 代表の岡田です。
今回はドクター個別指導スクールの医師による
国家試験対策のメールマガジンです。
歯科医師やコメディカルの人も学ぶことがある内容となっています。


医学部1年~6年生の定期試験、CBT、医師国家試験対策

ドクター個別指導スクール
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ドクター個別スクール講師の松本健一です!

急激に暑くなってきましたね。
暑いとつい、冷たい飲み物をたくさん飲んでしまいますが、この冷たい飲み物、
実は「夏の浮腫み」の大きな原因となっているのです!

水分が停滞すると倦怠感や関節痛など体の不調となって現れるので
飲むのなら常温のものをこまめに摂るのが良いかと思います。
また「逆暑法」と言って、暑いときにこそ熱いものを飲み、
発汗を促すことで暑気を飛ばすという方法もあるので
実践してみてはいかがでしょうか?それでは暑さに負けず、
問題を解いていきましょう!

1正しいものを1つ選びなさい(終末期医療)
a.わが国では安楽死は法律で認められている。
b.わが国では安楽死と尊厳死は同義とされている。
c.尊厳死は患者の意思にかかわらず、家族の意見で決めることができる。
d.リビングウィルは終末期医療に関する患者の意思表明文書である。
e.わが国では「尊厳死宣言文書」は法に基づいて患者が作成する。

解答:d

解説:終末期医療とは、「6か月以内に死が不可避な状態における医療」のことです。
そしてこれに関連し、安楽死(積極的安楽死)・尊厳死・リビングウィルという3つの用語は頻繁に問われるので、
それぞれを整理して正確に理解しておいてください。 では各選択肢を吟味していきます。
×a わが国では安楽死を認める法律はまだありません。
×b 「尊厳死」は延命治療を患者が拒否し、自然な死を選択することであり、
「安楽死(積極的安楽死)」は耐え難い苦痛を有する末期患者を積極的に(注射などで)死に至らしめることです。
×c 尊厳死は患者自身の意思表明に基づきます。
○d そのとおり。将来自分の判断能力が失われた際に、死期を引き延ばすだけの延命措置を
拒否することなどを示す、生前の患者の意思表明文書です。
×e 尊厳死宣言文書は法に基づくものではありません。

なお、終末期医療は身体的苦痛の除去(疼痛管理)と
精神的・社会的苦痛の除去(医師やカウンセラーによる管理、
ソーシャルワーカーの介入など)の両面から成り、
いずれも良く問われるので今後このメルマガでも出題したいと思います。

では次の問題に行きます。

2. 糖尿病の合併症について正しいものを3つ選びなさい。(内分泌代謝)

a.増殖網膜症はレーザー光凝固の適応である。
b.腎症による腎不全は透析導入の理由の第1位である。
c.末梢神経障害は左右非対称に生じる。
d.心合併症は拡張型心筋症が最も多い。
e.脳血管障害は脳梗塞が最も多い。

解答:a、b、e
解説:糖尿病に関しては毎年必ず問われ、
また禁忌肢が含まれていることも少なからずあるので入念な対策が必要です。
では各選択肢を吟味していきましょう。

○a 増殖網膜症は内科的な血糖コントロールのみでは治療が困難な状態であり、
光凝固の良い適応となります
(眼科で詳しく学びます)。
○b 1998年以降は慢性糸球体腎炎を抜き、透析導入理由の第1位を占めています。
×c 末梢神経障害は多発性に左右対称性に生じる
(手袋靴下型の末梢神経障害)という特徴があります。
×d 多いのは、動脈硬化性の心疾患です。臨床的には狭心症
や急性心筋梗塞として発症します。
○e そのとおり。ちなみに、糖尿病は脳梗塞のリスク要因ですが、
脳出血との関連性は男女ともにまだ認められていません。
正確に区別して覚えておきましょう。

良い機会なので糖尿病の合併症をまとめておきます。

1.細小血管障害
・糖尿病性腎症 
・糖尿病性網膜症
2.大血管障害(動脈硬化症)
・脳梗塞(脳出血との関連は認められていない) 
・虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など) 
・閉塞性動脈硬化症
3.糖尿病性神経障害
多発性で左右対称に発症

では最後の問題に行きましょう!!

3性感染症(STD)と関連があるものを3つ選びなさい。(婦人科)

a.子宮内膜症
b.子宮外妊娠
c.流産
d.子宮頸癌
e.膀胱脱

解答:b、c、d

解説::前回も書いた通り、内科・外科・公衆衛生学と並んで、
小児科と産婦人科は国試で頻出です。
そしてSTDはAIDSや子宮頸癌の問題も含め、
わが国でも社会的問題となってきており関心も高まっている分野なので
要チェックです。今後も色々な角度から出題がなされると予想しています。
では各設問を吟味していきましょう。
×a、e いずれも無関係です。
○b 子宮外妊娠の原因としてクラミジア卵管炎が重要視されつつあります。
○c 梅毒・ヘルペス感染症・サイトメガロウイルス感染症が流産を引き起こします。
○d HPV感染と子宮頸癌は密接な関連があり、
その予防接種の重要性も最近非常に注目されています。

HPV(ヒトパピローマウィルス)についてまとめると、
・尖圭コンジローマ(HPV6型、HPV11型)
・子宮頸癌の発生(HPV16型、HPV18型)

となります。単に「HPVと関連がある」、という理解では不足で、
HPVの型まで問われます!
しっかり覚えておいてくださいね

いかがでしたでしょうか?
国試だけでなく、CBTや卒業試験でも頻繁に問われる
重要事項を今後も掲載・解説していきます!
早期から対策することで、余裕を持って進級し、そして国試合格を手に入れましょう!!


執筆:松本健一(医師) ドクター個別指導スクール講師
監修:東京メディカルスクール代表 岡田優一郎


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