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2016年7月27日水曜日
甲状腺疾患、流行性耳下腺炎 進級、国家試験対策 予備校
東京メディカルスクール 岡田です。
今回は松本先生(医師)による学習です。
医師はすべての問題
歯科医師や医療職は1問目のヒスタミンの問題と
3問目の流行性耳下腺炎の問題が対象です!
それではよろしくお願いいたします。
東京メディカルスクール 講師 松本健一(医師)です!!
学習が進むにつれて自分の得意・不得意な
分野が見えてくると思いますが、
不得意分野を克服しようとあれこれ問題集や参考書を買っている方、
いらっしゃいませんか?一つの問題集を終わらせてか
ら、また次の問題集に移る、というのなら良いのですが、
つまみ食いのように数多くの本を購入するのは結局どれもこれも
中途半端になってしまうのでお勧めしません。
むしろ、一冊の参考書を徹底的にやり込んだ方が余程力になるし、
効率的(かつ経済的)でもあると思います。問題集・参考書選びも賢くして、
確実に来年の合格を手に入れましょう!それでは問題を見ていきます!!
1 抗ヒスタミン薬の主な副作用として正しいものを2つ選びなさい。(薬理学)
a.発熱
b.難聴
c.眠気
d.口渇
e.多毛
解答:c、d
解説:薬の副作用に関する問題ですが、
抗ヒスタミン薬という一般的な薬剤に対する知識の確認で、平易な設問です。
こういう問題は確実に押さえてください。では各選択肢を吟味していきましょう。
×a、b 副作用として現れません。
○c 高い頻度で出現するため、抗ヒスタミン薬服用後、
運転や精密機器の取り扱いはしないよう注意書きが必ずされてい
ます。また、この副作用を逆に利用した睡眠導入剤が、市販されている「ドリエル」になります。
○d 眠気以外の副作用として抗コリン作用(口渇・頻脈など)が挙げられます。
×e 多毛は副腎皮質ステロイドの副作用として現れます。
念のため基本事項を確認しておきます。
抗ヒスタミン薬とは、ヒスタミン受容体の内、H1受容体に結合するH1受容体拮抗
薬で、副作用としては上述した眠気や抗コリン作用があります。
アレルギー疾患に頻用され、以前はクロルフェニラミンや
シプロヘプタジンなどの第1世代抗ヒスタミン薬が使用されていましたが、
眠気の出現頻度が高く、結局その副作用により
総合的な患者QOLは上がらないことから、
現在は塩酸エピナスチンやロラタジンなど眠気の出にくい第2世代抗ヒスタミン薬
が用いられるようになってきました。
では次の問題に行きましょう。
2 甲状腺機能低下症について正しい物を3つ選びなさい。(内分泌内科)
a.皮膚乾燥
b.貧血
c.血清クレアチンキナーゼ高値
d.血清コレステロール値低値
e.QTc時間短縮
解答:a、b、c
解説:甲状腺疾患の内科領域としては、
バセドウ病、亜急性甲状腺炎、橋本病、それと本問で採り上げた甲状腺機能低下症
の4つは必ず整理して押さえなければなりません。
では各選択肢を吟味していきましょう。
○a 臨床症状としては、甲状腺ホルモンの欠乏による新陳代謝の低下、
及び粘液性水腫の出現が挙げられます。新陳代謝
の低下により耐寒能の低下、便秘、太りやすいなどの症状が現れ、
毛髪も薄くなっていきます。発汗も低下するので皮膚は
乾燥します。粘液水腫性の浸潤は皮膚や舌、あるいは咽頭粘膜などに見られ、
結果として浮腫や嗄声などの症状が出現します。
○b 新陳代謝の低下により酸素消費も減少するため
ヘモグロビン濃度は低下します。また、ビタミンB12や鉄分の吸収効率
も低下し、これらも貧血の一因になります。
○c 重症度に比例して高値を示すことが知られています。
×d 甲状腺機能亢進症の検査成績です。甲状腺機能低下症では
逆にコレステロール値は高値を示す例がほとんどです。
×e 甲状腺機能亢進症や高カルシウム血症の所見です。
甲状腺機能低下症では低電位、徐脈などに加え、QTc時間の延長がみられます。
本問では採り上げませんでしたが、
他の有名な臨床症状としては、うつ症状が挙げられます。
では最後の問題に行きましょう!!
3. ムンプスウィルス感染による流行性耳下腺炎に関して正しい物を2つ選びなさい。(小児科)
a.潜伏期は4週間である。
b.経口感染が多い。
c.両側性の難聴が現れることがある。
d.無菌性髄膜炎の原因となる。
e.ワクチンで予防できる。
解答:d、e
解説:流行性耳下腺炎はワクチンで予防でき、
髄膜炎・睾丸炎・精巣炎・卵巣炎・膵炎を起こしうる(ゆえに不妊の原因とな
りうる)という事実が頻出です。では各設問を吟味していきましょう。
×a 潜伏期は2週間前後であり、その後発熱や全身倦怠感、
あるいは耳下腺の腫脹などの症状が現れます。
×b 飛沫感染であり、伝播性は強力です。
×c 通常は一側性です。なおムンプス起因の難聴は予後不良でほとんど改善しません。
○d 上述した通りです。
○e 上述した通りです。なお、ムンプスワクチンの接種は任意である、
ということも合わせて押さえておきましょう。
ムンプスワクチンの接種は現在のところ義務ではなく任意なのですが、
難聴や不妊など深刻な合併症もあることからその接
種の重要性をご家族にきちんと説明できる医師になることが大事だと思います。
いかがでしたでしょうか?
国試だけでなく、CBTや卒業試験でも頻繁に
問われる重要事項を今後も掲載・解説していきます!早期から対策すること
で、余裕を持って進級し、そして国試合格を手に入れましょう!!
東京メディカルスクールでは、
定期試験・進級試験、CBT、
国家試験対策を家庭教師・個別指導の両方のかた
ちで行っています。
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(メディカルスクール事務局 10:00~22:00・年中無休)
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内容に関しては、免責事項となります。
各自成書でご確認ください。
執筆
東京メディカルスクール 講師(医師)
松本 健一
監修
東京メディカルスクール 代表
岡田 優一郎
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