2016年8月2日火曜日

医師国家試験対策 パニック値、心房中隔欠損


進級、CBT、医師国家試験対策のマンツーマン個別指導
日本最大級の医系国家試験対策予備校
ドクター個別指導スクールを運営する東京メディカルスクール 代表の岡田です。


今回は医学生の進級、CBT、医師国試に役立つ勉強を
ドクター個別指導スクールの松本先生にお願いしましょう!!

よろしくお願いいたします・



ドクター個別スクール講師の松本健一(医師)です!!

長かった梅雨も終わり、いよいよ夏本番ですね!
遊びたい衝動が高まる時期でもあります
が、羽目を外しすぎず、生活のリズムを崩さないようにしてください。
それでは問題を見ていきます!!

1 臨床検査におけるパニック値はどれか。正しい物を1つ選びなさい。(臨床検査学)
a.ヘモグロビン 9.8g/dl
b.血小板 8.3万/μl
c.空腹時血糖 70mg/dl
d.総コレステロール 320mg/dl
e.血清カリウム 7.0mEq/l

解答:e
解説:パニック値とは、日常の検査業務において
直ちに適切な処置が施されなければ患者の生命が危険にさらされるであろう、「緊急異
常値」のこと
です。つまり、単に基準値を外れているというだけでは
パニック値とは言わないのです。臨床を経験していれば本問は平易
なのですが、学生の段階ではそもそもパニック値という言葉自体馴染
みがないかもしれませんね。では各選択肢を吟味していきましょう。

×a 一般的なHb値よりは低めであり、貧血の原因検索が必要ですが、
外来でも精査可能なレベルの数値です。一般的にHb5.0g/dl以下が
パニック値です。 
×b 正常値の半分程度ですが、血小板の値というのは個人間でも相当な差異があり、
この値でも直ちに処置を要するとまでは言えませ
ん。一般的に3万μg/l以下がパニック値です。
×c 健常者の空腹時でも十分出現し得る値です。一般的に50mg/dl以下か、
もしくは350mg/dl以上がパニック値となります。
×d コレステロールの値が異常高値、異常低値いずれであっても緊急に生命の
危険性が高まることはないため一般的にコレステロールの
パニック値というものは存在しません。
○e 6.0mEq/l以上か、2.5mEq/l以下の時、心電図異常が起こるため生命に
危険性のあるパニック値とみなされます。

では次の問題に行きましょう。

2 心房中隔欠損症について正しい物を2つ選びなさい。(循環器学)

a.先天性心疾患の中では最も発生頻度が高い。
b.大部分は乳児期を無症状で過ごす。
c.自然閉鎖する確率は低い。
d.胸骨左縁第3~4肋間に逆流性収縮期雑音を聴取する。
e.肺高血圧症の合併頻度が高い。

解答:b、c
解説:心房中隔欠損症(ASD)は、欠損口を通じて左→右シャントを生じ、
右房・右室への容量負荷を来す疾患です。通常小児期にはほとん
ど症状はなく、(放置すれば)30~40歳代に心不全症状が出現します。
心室中隔欠損症(VSD)の特徴と混同しないようにしましょう。では各
選択肢を吟味していきます。

×a 最も多いのはVSDです。次いでASDになります。
○b 記述通りで、乳幼児期・小児期共に心不全症状を来すことはほとんどありません。
○c VSDは自然閉鎖する可能性がありますが、ASDは自然閉鎖する確率は低いです。放置すると30~40歳代で心不全症状が出現するため手
術で治療する必要があります。
×d ASDによって相対的肺動脈狭窄(相対的PS)が生じます。理由は、肺動脈
そのものに狭窄は起きていないものの、肺動脈を通過する血
流が増大しているため、結果として健常人と比して血液が肺動脈を通過することが
難しくなるからです(要するに交通渋滞のようなもので
す)。この相対的PSにより、肺動脈弁領域に駆出性収縮期雑音が聴取されます。
×e 40歳以後の症例、もしくは小児でも重症例は肺高血圧症が起こり得ますが、
合併頻度としては高い物ではありません。

本問では採り上げませんでしたが、他の有名な臨床所見としては
、II音の固定性分裂、心エコーにおける心室中隔の奇異性運動などが挙
げられます。

では最後の問題に行きましょう!!

3. 一次予防はどれか。正しいものを1つ選びなさい(公衆衛生学)

a.健康診断
b.理学療法
c.予防接種
d.人間ドック
e.機能訓練

解答:c

解説:予防医学に関する設問で、一次から三次予防に渡る疾病予防について
正しく理解しているかが問われています。頻出です。では各設
問を吟味していきましょう。

×a 疾病の早期発見に当たり、二次予防です。
×b、e リハビリテーションであり、三次予防です。
○c 一次予防の内、特定の疾病を予防する「特異的予防」に相当します。
×d 総合健診と位置付けられ、二次予防です。

以下、基本事項ですがまとめておきます。
一次予防…罹患率の低下を目的とする。健康教育、予防接種など
二次予防…死亡率の低下、生存期間の延長を目的とする。健診、
スクリーニング検査、人間ドックなど
三次予防…社会復帰を目的とする。再発や後遺症の予防、
リハビリテーション(機能回復訓練)など

いかがでしたでしょうか?
国試だけでなく、CBTや卒業試験でも頻繁に問われる
重要事項を今後も掲載・解説していきます!早期から対策することで、余裕を持って
進級し、そして国試合格を手に入れましょう!!

ドクター個別指導スクールでは、医学部生の定期試験・進級試験、
CBT、国家試験対策を家庭教師・個別指導の両方のかたちで行っています。
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執筆
東京メディカルスクール 講師(医師)
松本 健一

監修
東京メディカルスクール 代表
岡田 優一郎