2012年6月14日木曜日

臨床検査の基本


今回は「臨床検査の基本」をミニ講義です。

東京デンタルスクール 解剖生理学スクール

臨床検査は、全身疾患の患者さんの抜歯依頼で
資料が添付されていたり、口腔外科などでは、実際に
オーダーして確認する必要があります。

学生、研修医などは基本が大事です!
以下の問題を解いてみましょう。

成人の基準値の範囲内にあるものはどれか。1つ選べ。
a 赤血球 250万/μl
b Hb 8.7g/dl
c Ht 45%
d 白血球 13800/μl
e 血小板 5万/μl
(104回歯科医師国家試験 一部改編・引用)

どうですか?
これは簡単な問題なのでさらっと答えは

cのヘマトクリット

と分からないと問題ありです^^;

簡単に見ていきましょう!

赤血球
男女で正常値が異なります覚え方は男性500万、女性450万です!
増加した場合には脱水、減少では貧血と覚えましょう。

Hb(ヘモグロビン)
男性は約16g/dl、女性は約14g/lと覚えます。
増加で脱水、現象では貧血が重要。

Ht(ヘマトクリット)
男性では45%、女性は40%と覚えます。

白血球
4500~8500/μl
増加は感染症や白血病、現象では骨髄抑制・末期癌などが重要です。

白血球分画
杆状核球3~6%、分葉核球45-55%
好酸球1~5%(増加でアレルギー、寄生虫)
好塩基球0~5%
単球4~7%(増加は感染症回復期、自己免疫疾患)
リンパ球25~45%(増加はウイルス等、現象は免疫不全、悪性リンパ腫)
血小板15-35万/μl(現象は再生不良性貧血、肝硬変、DIC、ITPなど)

次に、生化学検査に行ってみましょう。

総タンパク6.5~8g/dl
増加は多発性骨髄炎、脱水など
減少は栄養失調、ネフローゼなど

HbA1c 4.3~5.8%
増加では糖尿病

尿素窒素8~20mg/dl
増加では脱水や腎機能障害
減少は肝不全など

クレアチニン0.4~1.2mg/dl
増加では腎疾患、減少では筋ジストロフィーなど

尿酸(UA)
男性は3~7.2mg/dl、女性は2.3~5.5mg/dl
増加では痛風、現象では妊娠など

総コレストロール
130~240mg/dl
増加では糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群など
減少では、肝疾患や、甲状腺機能亢進症など

中性脂肪(トリグリセライド)
70~140mg/dl未満
増加では高脂血症や糖尿病、定価では肝疾患、甲状腺機能亢進症など

HDLコレステロール
男性は35~75mg/dl、女性では40~85mg/dl
増加では高リポタンパク症
減少では糖尿病、肝疾患、ネフローゼ症候群など

総ビリルビン 0.2~1.2mg/dl
直接ビリルビン0~0.4mg/dl(肝疾患など)
間接ビリルビン0~0.8mg/dl(溶血性貧血、敗血症など)

AST(GOT) 5~40IU
ALT(GPT)5~35IU
これら二つは増加で、肝炎や心筋梗塞など

CRP 0.5mg/dl
増加で炎症など

以上、簡単な臨床検査の正常値を掲載してきました。
正常値などはかならずすべて成書などで確認をしてください。
増加・低下した場合の疾患については国家試験対策として特に
重要なものを中心に紹介していますので、それぞれ確認を
してゆくことが大切です。まずはこれを覚えていきましょう!


東京デンタルスクールでは定期試験対策、CBT対策、歯科医師国家試験対策
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