2012年6月8日金曜日

薬剤師 聴診器

薬剤師 聴診器
~薬剤師は聴診器を使ってもよいのか、法律と現場~

解剖生理学スクール・東京デンタルスクール

昨年くらいから薬剤師と聴診器の問題が取り上げられていて
様々な議論が行われています。

以前は、この聴診は「医療行為」と捉える考え方が主流でした。
全ての基本は医師法に明記されている一文です。


医師法17条「医師でなければ医業 をなしてはならない」

診療範囲など全ての基本はこの法律の一文が重要になります。

法律は

憲法→法律→政令・省令→規則・条例

の順番で規定されています。

つまり、医師法の法律というのはかなり強力なのですね。
しかし、この数十年前に作られた法律が最近では医療の
現場レベルでは意見を二分するような様々な問題が引き起こされています。

例えば
歯科医師の救命センターでの全身麻酔
救急救命士の気管挿管
今回取り上げる薬剤師の聴診器   などです。

つまり、医行為は医師しかできないので医行為に該当するのか
ということが焦点です。

救急救命士の気管挿管についてはある一定の研修を行う
ことによってできるという法整備が出来ました。

このような問題を解決するのが法律の次の政令・省令です。
つまり、厚生労働省が通知を出すわけです。
また、この際には大学・医師会・薬剤師会などの団体の意見も参考にされます。

薬剤師の聴診器をめぐる問題については、厚生労働省が
積極的に薬剤師も病棟に入っていくようにということで、
これを受け、薬剤師会などでは聴診器の実習講習会なども実施されています。

日本病院薬剤師会
http://www.jshp.or.jp/

また、一部の大学では薬剤師の方がすでに病棟で聴診器を
利用しています。

最近では、病棟で薬剤師の方が医師に薬のエビデンスを求めることがあります。
これについては、若手医師が比較的積極的に話し合う姿勢がある方が
医学学会などではよく見受けられます。
同時に、エビデンスにとらわれない、独自の方法で結果を出してきた
病院もあることも事実で、このあたりの境界線が今後難しそうです。

私個人としては、薬剤師の方の病棟での聴診器というのは
議論を重ねる必要はあるとしても患者さんのためであるとはいえると考えます。

近年では、多数の薬剤などの相互作用も問題になってきています。
また、適当とは考えにくい処方も一部では存在することも確かです。

昨日、風邪の後に咳が止まらず、内科でクラリスを処方いただきました。
私はいつも風邪の後にも3週間くらい咳が続き、クラリスでよくなります。
今回は少し長引いているので吸入ステロイドをもらいました。

この時に薬局に行ったときに薬剤師さんが

「飲み合わせなど問題があったので医師と相談して薬を変えてもらいました」

と聞きました。このように二重チェックしてより患者さんのために
なることが社会全体としての利益となると思います。

薬に対して薬剤師の知識はかなり専門的で信頼できるものです。
これは、薬剤師国家試験を少しめくってみれば医療関係者はわかります。

薬学部は4年制から6年制に変わり、6年制卒の薬剤師が誕生しました。
今、まさにこのタイミングで考えられるべきだと思います。

マンパワーではなく、組織として動く時代になったような気がします。
もちろん、薬剤師の方が聴診器で「診断」をするということではなく、
薬の副作用を含めて異常を察知できる可能性があり
対面で話すことにより、様々な情報を吸い上げることが出来ます。

ホームページを見ていると

患者さんが医師以外の薬剤師に個人情報など話したくない」という
意見も残念ながら多々見かけます。

これは、現在の日本ではこのような意見があっても仕方ないことだと思います。
現在の働きは5年後、10年後に結果・世論となって現れるからです。

しかし、この聴診器
実は、かなり奥が深いものでもあります。

歯科医師も聴診器を使うことがあります。顎関節症の聴診や、
口腔外科、全身麻酔の際の挿管の確認です。

肺の聴診を内科的に行うということはかなり難しいのです
最近では聴診器にコンピュータが入っていて、雑音・ノイズを自動で
除去したり、心拍数などを表示したり、録音できる聴診器もあります。

ずいぶんと便利な世の中になりました。

全身状態に問題がある患者さんを医師から紹介
された歯科医師は文中にこのように書いてあり、とまどうことがあります。

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抜歯のお願い                   病院 医師

担当 歯科医師へ     

今回、抜歯をお願いしたい患者さんは以下のような全身状態
があります、配慮の上抜歯をお願いします。
患者さんは聴診にてwheezes音を認め~
----------------------------------------------------------------------------

!!!

一般歯科医師は

・・・

となってしまいます。

基礎医学の知識は今後ますます、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・
柔道整復師・あん摩マッサージ師・理学療法士・作業療法士など
さらに普及していく必要があります。
wheezesというのは呼吸音名なのですね。
歯科医師、看護師、薬剤師の方なども積極的に学ぶ必要がありそうです。

副雑音の種類

ラ音は連続音と断続音に分けられます。

連続音(さらに分かれます)
→笛声音(wheezes) 気管支喘息など
→いびき音(rhonchi) 慢性気管支炎など
→スクウォーク(squawks) 間質性肺炎など

断続音
→捻髪音(fine crackles) 間質性肺炎、過敏性肺臓炎など
→水泡音(coarse crackles) 肺炎、肺水腫など

その他の副雑音としては
胸膜摩擦音(pleural friction rub)胸膜炎など  があります。

今回は、薬剤師と聴診器のお話と副雑音について学んできました。
今後の展開にも医療関係者含めて社会全体の関心ごとです。



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