2016年3月30日水曜日

 

抗生物質・微生物学 歯科医師国家試験対策のマンツーマン個別指導
 
こんにちは!東京デンタルスクール 教務主任の岩脇 清一です。


定期試験・CBT・歯科医師国家試験対策無料メールマガジンの第19回目!!
「この問題がわからない…」
 そのような際には、学生どうしで気軽に投稿できる無料質問掲示板をお気軽にご利用ください。
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さっそく始めましょう!

1.マクロライド系抗菌薬が阻害するのはどれか。1つ選べ。(薬理学)

a.線 毛
b.莢 膜
c細胞壁
dリボソーム
e.プラスミド

解答:d
解説:薬理学から、抗菌薬に関する出題です。
抗菌薬は定期試験・進級試験・国家試験で頻出です。
これを機に押さえましょう。

マクロライド系(エリスロマイシン、アジスロマイシン、ジョサマイシンなど)の作用機序は?
「タンパク質合成阻害」でしたね。では、タンパク質はどこで作られるか?リボソームですね。
ここで、抗菌薬の作用機序と細菌の構造物との関係をおさらいしておきましょう。
細胞壁:ペプチドグリカンなどよりなる。グラム陰性菌の内毒素はここに存在。
β‐ラクタム系(ペニシリン、アンピシリン、セファクロルなど)、バンコマイシン、ホスホマイシンによって阻害。
細胞膜:主に抗真菌薬が阻害。ポリエン系(アムホテリシンB、ナイスタチン)、ポリペプチド系(ポリミキシンB)によって阻害。
リボソーム:タンパク質を合成。
テトラサイクリン系(ミノサイクリンなど)、マクロライド系(エリスロマイシンなど)、
アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、カナマイシン)、クロラムフェニコールによって阻害。
核酸:ニューキノロン系(DNAジャイレース阻害、オフロキサシン、ガチフロキサシン)、リファンピシン(RNA合成阻害)
莢膜:細胞壁の表層を取り囲む。食作用に抵抗する。
芽胞:発育条件の悪い時に形成され、熱や薬品に抵抗性を示す。
プラスミド:核DNA以外に細胞質中に存在する遺伝因子。
抗菌薬の作用機序、細菌の構造物ともに基本です。ここで知識を身につけましょう!!

次いきましょう!!

2.オルタードキャストテクニックについて正しいのはどれか。1つ選べ。(部分床)

a.主に中間欠損に適応となる。
b.印象にあたり、耐火模型の作成が必須である。
c.欠損部の模型改造時にはボクシングは不要である。
d.最終的に完成する模型は欠損部が解剖学的印象となる。
e.欠損部の印象にシリコーン系印象材を用いることはできない。

解答:b
解説:部分床からオルタードキャストテクニックについての出題です。
この分野は定期試験・国家試験にかかわらず試験頻出です。
しっかりと押さえましょう!

~正しいオルタードキャストテクニックの方法~(主に遊離端欠損に適応)

1.解剖学的印象を採得する
2.解剖学的印象より母模型を作成し、複印象を採得する
3.複印象より耐火模型を作成し、その上でワックスアップ・メタルフレームの鋳造
4.完成したメタルフレームの欠損部にトレーを設ける
5.メタルフレームを口腔内に装着し、シリコーン系印象材、印象用ワックスなどで機能印象
6.元の母模型の欠損部を切断し、メタルフレームを戻す
7.印象部にボクシングをした上で石膏を注入する

このようにして完成した最終的な模型は、欠損部が機能的印象
に置き換わったものとなります。
ここは流れと使用する材料を押さえておきましょう!!


3.既製乳歯冠の特徴で正しいのはどれか。すべて選べ。(小児)

a.生活歯には適応とならない。
b.クラウンループの支台歯に用いる。
c.ゴードンのプライヤーで適合を調整する。
d.コンタリングプライヤーで豊隆を調整する。
e.咬合調整はカーボランダムポイントで行う。

解答:b
解説:小児より既製乳歯冠の特徴についての出題です。最近国家試験で解剖と絡めた問題が出るなど、試験で人気の事項です。
ここで正しく理解しましょう。
既成乳歯冠の適応
・歯冠崩壊の大きいもの
・う蝕が広範囲に及ぶもの
・保隙装置の支台歯となるもの
・歯髄処置を行ったもの
・エナメル質形成不全歯
・外傷により歯冠の一部が破折したもの
(歯髄の生死を問わず使用できる)
マージンの調整:金冠ハサミ、カーボランダムポイント
適合の調整:コンタリングプライヤー
豊隆の調整:ゴードンのプライヤー
咬合調整:咬合面調整鉗子(カーボランダムポイントで行うと、穿孔するリスクあり!)

鋳造冠と比較して
・調整が容易
・歯質の削去量が少なくて済む
・直接法では即日完成が可能
・支台歯への適合性に劣る
・咬合状態、接触点の回復が難しい
・咀嚼による咬耗、穿孔のリスク

使用する器具、適応症、鋳造冠との比較、どこから出題されても対応できるように対策を深めておきましょう!

ラスト! 少し難しい問題です。

4.Actinomyces israelii について正しいものはどれか。すべて選べ。(微生物)

a.グラム陰性菌である。
b.破傷風の原因菌である。
c.液体培地上で砂粒状の菌塊を形成する。
d.寒天培地上で臼歯状コロニーを形成する。
e.最終代謝産物でギ酸、酢酸、乳酸、コハク酸を産生する。

解答:,c,d,e

解説:微生物について、Actinomyces israeliiに関する問題です。
主だった細菌感染症の原因菌は覚えておきましょう。
Actinomyces israeliiは何の原因菌か?「顎放線菌症」の原因でしたね。
ちなみに、破傷風の原因菌はClostridium Tetaniです。

Actinomyces israeliiはグラム陽性桿菌であるため、内毒素は有しません。
また、液体培地上で砂粒状、寒天培地で臼歯状コロニーを形成します。

この菌に限らず、細菌感染症の原因となる菌とその特徴は押さえておきましょう!

いかがでしたでしょうか?
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執筆
東京デンタルスクール 教務主任
岩脇 清一

監修
東京デンタルスクール 塾長
岡田 優一郎