2016年5月19日木曜日

医学生 メールマガジン 創刊!


医学生のためのメールマガジン創刊!

定期試験、CBT、歯科医師国家試験対策
個別指導・予備校 ドクター個別指導スクール


ドクター個別指導スクールを運営する
東京メディカルスクールでは、医学生の進級、
CBT、医師国家試験対策のメールマガジンを創刊致しました。

今回は第1弾をご紹介していきます!

こんにちは!ドクター個別指導スクールです。
これから定期試験・CBT・医師国家試験に役立つ情報を配信していきます。

記念すべき第1回目。早速始めましょう!

1.誤っている組み合わせはどれか(分子生物学)
a.アミロイドの沈着・・・老化徴候
b.一酸化窒素の上昇・・・血管拡張
c.LDLコレステロールの高値・・・動脈硬化
d.テロメア長の短縮・・・細胞分裂停止
e.p53遺伝子の不活化・・・癌化抑制

解答:e
解説:分子生物学自体は基礎医学的な内容なのですが、
それにとどまらず病態と関連させて問う問題です。
医師国家試験ならでは、の問題と言えるでしょう。選択肢bはやや高度な内容です。


では各選択肢を吟味していきましょう。

○a 加齢に伴い脳内にはアミロイドの沈着が認められるようになります。
○b 一酸化窒素による血管拡張作用は最近注目されており、血管内皮障害による動脈硬化は
この一酸化窒素の産生酵素障害に起因すると考えられています。
このように最近注目されている医学的研究や成果は良く出題されますので、しっかり押さえておきましょう!
○c LDLコレステロールはいわゆる「悪玉コレステロール」です。
動脈硬化を促進します。
○d テロメアとは、染色体の両端に位置し染色体そのものを
保護する働きなどを持っているのですが、
細胞分裂のたびにこのテロメアの部分は短めにコピーされて段々と短くなっていきます。
そして短くなればなるほど、細胞は分裂能力が衰え(つまり老化し)
テロメアが修復できないくらい短くなったところで
その細胞は分裂を停止して死ぬのです。


突き詰めれば、「テロメアの長さ=細胞の寿命」であり、
もしテロメア長を思うままにコントロールできるように
なったらそれこそ不老の薬とかも誕生するかもしれませんね!


×e p53遺伝子は代表的な癌抑制遺伝子であり、その不活化は癌化を促します。
具体的には大腸癌を抑制し、17番染色体の短腕に存在します。
細かいな、と感じるかもしれませんが実際このくらい掘り下げて問われることもあるので、
早期から貪欲に知識を増やしていきましょう!

では次の問題に行きます。

2. 腹痛について誤っているものはどれか。(一般内科)

a.十二指腸潰瘍では食事により軽快することが多い。
b.小腸疾患は食後20分ぐらいから始まることが多い。
c.過敏性大腸症候群では排便後に症状が増悪することが多い。
d.膵癌の痛みは前屈位で軽快することが多い。
e.胃潰瘍による腹痛は食後1時間以内の早期痛と数時間後の晩発痛がある。

解答:c
解説:医学部教育の中で最も時間が割かれるのが内科であり、
それに伴い、当然国試でも
内科からの出題数が最も多くなります。

そして腹痛というのは、頭痛と並んで最も経験することの多い症状であり、
必然的に問われることも多くなります。

一口に腹痛と言っても、痛みの程度、痛む部位、
痛むタイミング、増悪因子・軽快因子など
それぞれ多岐に渡るので各疾患ごとに整理して覚えていくことが大切です。
では各選択肢を吟味していきましょう。

○a 十二指腸潰瘍は、空腹時の疼痛 が特徴的。
食事直後は胃酸が中和されるため痛みが軽減します。
○b その通りです。ここでいう小腸疾患として代表的なものはクローン病(小腸型)です。
炎症性の腸疾患で難病指定されているクローン病と
潰瘍性大腸炎は学校でも必ず対比して教わります。

忘れている方は内科学のテキストでよく復習しておいてください。

×c 過敏性大腸症候群では、排便前に下腹部痛を伴い、
排便によって腹痛は軽快するのが典型的です。
○d 膵癌の痛みはしばしば背部に放散し、前屈位によって軽減します。
これをpancreatic positionと言います。

○e  原因まで含めて押さえておきましょう。早期痛は食塊による
直接の物理的刺激が原因となり、
晩発痛は胃酸の濃度が上昇することが原因となります。
 
胃潰瘍は食後腹痛・十二指腸潰瘍は空腹時腹痛
これはとにかくよく出ますので必ず覚えてくださいね!

では最後の問題に行きましょう!!
3医の倫理に関する記述で誤っているものはどれか。(公衆衛生学)

a.ジュネーブ宣言は医師のあるべき姿を宣誓したものである。
b.リスボン宣言は治験における医師の義務を述べている。
c.ヘルシンキ宣言はヒトに対する医学的研究の基本原則を述べたものである。
d.医の倫理に関する国際規定では、医師は患者の利益のために奉仕するべきであると述べられている。
e.インフォームド・コンセントとは、十分な説明を受けた上での患者の同意・承諾のことである。

解答:b

解説::公衆衛生学は国試において毎年2割程度も占める分野で
大変ウェイトが高いのですが、
対策が後回しになってしまい、多くの受験生が苦手とする分野になっています。

さらに怖いのが、公衆衛生学の問題には、禁忌肢を含んだ設問も多く見られるということです。
暗記すべき事柄や注意すべき禁忌肢が多いので早期から対策し、
合格を万全なものにしましょう。
多岐に渡る公衆衛生学ですが、その中でも「医の倫理と医療従事者の義務」、
「保健医療論」の2つが特に頻出です。
では各設問を吟味していきましょう。

○a その通り。「ヒポクラテスの誓い」の現代版と言えます。
×b リスボン宣言は患者の権利に関する宣言です。
治験における医師の義務を述べたものはヘルシンキ宣言です。
○c 前述の通りで、この中にインフォームド・コンセントに関する詳細な指針が記載されています。
○d 医師の一般的倫理義務(最高水準の医学を維持する義務、営利性の排除など)、
患者に対する倫理義務(人命保護の責務、守秘義務など)
、医師間の倫理義務(同僚の患者を引き抜かない、など)の3つの倫理義務が規定されています。
○e 「患者本人の自己決定権の尊重」という考えによって定められた手続きのことで、
この概念が現代の医療現場における意思決定の中軸となっています。

医の倫理に関する重要な規定としては
「ジュネーブ宣言」、「リスボン宣言」、「ヘルシンキ宣言」
の3つがあり、この三者の違いは整理しておきましょう。
ジュネーブ宣言・・・医師のあるべき姿を宣誓したもの。「ヒポクラテスの誓い」
の現代版と言える。
「人命の尊重・守秘義務・道徳的配慮・患者の非差別」などが記載されている。
リスボン宣言:患者の権利に関する宣言。セカンド・オピニオンを求める
権利が記載されている。
ヘルシンキ宣言:ヒトを対象とする医学的研究に関する宣言であり、
インフォームド・コンセントの必要性が明記されている。

いかがでしたでしょうか?
国試だけでなく、CBTや卒業試験でも頻繁に
問われる重要事項を今後も掲載・解説していきます!
早期から対策することで、余裕を持って進級し、そして国試合格を手に入れましょう!!

ドクター個別指導スクールでは、大学1年~国浪生までの
定期試験・CBT・国家試験対策を家庭教師・個別指導の
両方のかたちで行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

ドクター個別指導スクール
03-6807-1546

(メディカルスクール事務局 10:00~23:00・年中無休)
また、ホームページ内の資料フォームからもお問い合わせいただけます。
http://www.doctor-school.com/doctor/


執筆 
ドクター個別指導スクール 講師 松本健一(医師)

監修
東京デンタルスクール 代表 岡田優一郎


[ご注意]
内容に関しては、免責事項となります。
各自成書でご確認ください。