2016年8月13日土曜日

臨床検査技師国家試験対策 学生向けの無料メルマガ


東京メディカルスクール代表の岡田です。
当スクールでは臨床検査技師国家試験対策の
マンツーマン個別スクールを運営しております。

今回は臨床検査技師の講師の先生による
無料メールマガジンをご紹介です。

よろしくお願いします!


こんにちは! 

定期試験・臨床検査技師国家試験対策無料メールマガジン、第1回目です。
第1回目は、基本的な内容となります。
低学年の皆さん、この問題で力を試してください!
高学年の皆さん、国家試験のつもりで解いてください!
問題は全部で4問です。さっそく始めましょう!

【問題1】標準予防策について誤っているのはどれか。2つ選べ。(公衆衛生)

(1)感染症の有無にかかわらず、すべての患者に適用される。
(2)採血、静脈注射、留置針の挿入を行うときは、必ず手袋を着用する。
(3)手が肉眼的な汚れの有無にかかわらず、擦式アルコール手指消毒薬を用いる。
(4)多量の血液か体液を含む場合や、検査室で血液や培養液がこぼれた場合、有機物を
    除去した後、次亜塩素酸ナトリウム液(500ppm)で消毒する。
(5)防護具は同一患者に対しても再使用しない。
 

解答:3、4
解説:近年、標準予防策に関する問題が国家試験でも出題されるようになってきました。 
難易度としては難しい問題ではありませんの
で、落とさないように押さえておきましょう。

☆ポイント
 ●目的:病原体の感染・伝搬リスクの減少
 ●適応:血液、汗を除くすべての体液・分泌物・排泄物、健常でない皮膚、粘膜
 ●基本事項
 1.手洗い/手指衛生の励行
 A.手指が目に見えて汚れている時または蛋白成分を含むもので汚染されている時、ある
 いは血液や他の体液で目に見えて汚れている時は石けんと流水で手を洗う。抗菌性石け
 んでも、抗菌物質を含まない石けんでもよい。
 B.手が目に見えて汚染されていない時は、擦式消毒用アルコール製剤で手指の汚染除去
 を行う。

 2.手袋の着用
 →a.) 体液、血液、傷のある皮膚、粘膜に接触する可能性のある場合
  b.) 汚染物、汚染した環境、器材に触れる可能性のある場合
    c.) 清潔な操作が必要な場合
 →手袋の交換

  a.) 患者に使用する手袋は患者ごとに交換する。
    b.) 同一患者でも異なる部位の処置をする時は交換する。
    c.)湿性の体液が付着あるいはその恐れのある手袋は、そのつど交換する。
    d.)長時間着用し手に汗をかいたらはずす。
    e.)手袋に破損等が生じた場合は直ちに交換する。
 3.呼吸器の保護→マスク
 4.目の保護→フェイスシールド、ゴーグル
 5.ガウンや防護服、キャップの着用
 6.患者ケアに用いられる器具や物品の管理
 7.リネンや洗濯物の管理
 8.皿、コップ、グラス、その他食器の管理
 9.日常および定期的な清掃
以上のことから、(1)・(2)・(5)は正しい内容です。
(3)と(4)が誤っていますが、(4)は次亜塩素酸ナトリウム濃度が
誤っています。この場合は5000ppmを使用するのが正しい濃度です。


【問題2】毒素原性大腸菌で正しいのはどれか。(微生物)

(1)STはコレラトキシンと同様の作用を示す。
(2)LTは耐熱性のトキシンである。
(3)血清型はO6:H16が多い。
(4)ソルビット非分解が特徴である。
(5)シモンズ・クエン酸培地に発育する。

解答:3
解説:微生物学から毒素原性大腸菌の問題です。
腸管出血性大腸菌についての問題も出題されますが、比較して毒素原性大腸菌について
の問題が出題されることがあります。見落とすことのないようにしておきましょう。

×(1)コレラ毒素に類似した、プラスミド支配のエンテロトキシン(易熱性毒素:LT・
   耐熱性毒素:ST)を産生します。設問ではコレラトキシンとなっていますので、誤
   りです。
×(2)易熱性毒素はLT、耐熱性毒素はSTですので、誤りとなります。

◯(3)大腸菌の血清型はO抗原、K抗原、H抗原によって分類されています。毒素原性大
   腸菌の血清型はO6:H16の割合が高くなっています。

×(4)大腸菌の大多数の株ではアニシットとイノシトール以外の糖を発酵により分解し
   ますので、非分解は誤りとなります。
×(5)大腸菌の生化学性状としてクエン酸とマロン酸の利用は陰性です。シモンズ・ク
   エン酸培地は合成培地であり、炭素源としてクエン酸ナトリウムを、窒素源として
   リン酸アンモニウムのみが加えられています。よって、この培地に発育できる菌は
   クエン酸ナトリウムとリン酸アンモニウムの両方を利用できる菌のみになります。

大腸菌に限らず、毒素を産生する細菌は、食中毒の原因となるので、
定期試験や国家試験ではよく出題されます。

【問題3】誤っているのはどれか。(生理学)


(1)細胞膜の構成成分はタンパク質とリン脂質である。
(2)小胞体には2種類あり、リボソームが付着している
滑面小胞体と付着していない粗面小胞体がある。
(3)ミトコンドリアはATP(アデノシン-3-リン酸)を産生する。
(4)核の主な機能は遺伝情報の転写と翻訳にあずかるRNAの合成である。
(5)微小管は細胞の構造維持や変化、細胞の運動に関与する。

解答:2
解説:生理学から細胞の機能と構造に関する問題です。定期試験、国家試験には頻出します。
◯(1)正しい。細胞膜は、細胞の表面をおおい、細胞内外の物質の移動を制御して細胞
   内環境を形成している。この構成はリン脂質とタンパク質からなり、タンパク質は
   均一な脂質二重層の中に島のように存在している。リン脂質としては、ホスファチ
   ジルコリンとホスファチジルエタノールアミンが多く存在している。
×(2)誤り。
・粗面小胞体:リボソームをもつ。
ペプチドホルモンや抗体のようなタンパク質を産生する産生する細胞に極めて多く存在する。
・滑面小胞体:リボソームを持たない。リン脂質と脂肪酸の合成および代謝部位である。骨格筋や心筋では筋小胞体と呼ばれ、細胞内Ca
濃度の調節を行う。また、肝細胞では脂質代謝にあずかる。
◯(3)正しい。ミトコンドリアは細胞の発電所としての役割を持つ。
◯(4)正しい。核の主な機能は、細胞分裂時のデオキシリボ核酸(DNA)の複製およびタ
   ンパク質の生合成に必須な遺伝情報の転写と翻訳にあずかるリボ核酸(RNA)の合成
   である。
◯(5)正しい。微小管は、細胞骨格系に属する。細胞骨格系は、構造の維持や変化、細
   胞の運動、細胞分裂、軸索輸送に関係する。微小管は、線毛や細胞分裂での染色体
   の運動に関係する中心小体の構成要素である。

 高校の生物でも学習する内容の問題です。
細胞を構成する物質やその主な機能を理解しておくことが大切です。
次にいきましょう。

みなさん、いかがでしたでしょうか。
定期試験では、少し深い内容の問題が出題されることがあります。
国家試験では極端に難しい問題は出題されません。
まだ、半年ありますので焦らず取り組んでいきましょう。

医道塾では、大学1年~国浪生までの定期試験・
CBT・国家試験対策を家庭教師・個別指導の両方のかたちで行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

東京メディカルスクール 医道塾
03-6807-1546
(メディカルスクール事務局 10:00~23:00・年中無休)
また、ホームページ内の資料フォームからもお問い合わせいただけます。


[ご注意]
内容に関しては、免責事項となります。
各自成書でご確認ください。