2016年9月11日日曜日

臨床実地問題109回 歯科医師国家試験の対策を行う東京デンタルスクール


東京デンタルスクール 塾長 岡田です。
歯学生1年~6年生の現役生、国試浪人生対象の
マンツーマン個別指導スクールとして全国よりご来校を頂いております。

今回は109回臨床実地問題の分析を前回に続き、
2回目として行っていきます。
これからの勉強の参考としていきましょう!

<保存修復学>
ホームブリーチの問題が出題。処置後に起こりうるのは
知覚過敏」である。基本的な問題の出題である。

<歯内>
根管の湾曲の問題。
正答はKファイルへのプレカーブの付与である。
基本的な問題であるが、根管口の漏斗状拡大を
選択する生徒さんも多くみられた。
漏斗状拡大は重要な手技であるが、十分な拡大が行われており、
根尖付近の湾曲に対してはプレカーブの付与が重要である。

<歯周>
歯周基本治療後の4ミリ以上のポケットがあり、
プラークコントロールレコードが45パーセントであった。
問題は「次に」行うことを問う問題であった。
解答はブラッシング指導、スケーリング・ルートプレーニングである。
フラップ手術などは「次に」行う処置ではない。文章に注目である。

4ミリ以上のポケットが多数みられる症例において、
フラップ手術、エナメルマトリックスタンパクを正答とする
問題の出題がみられた。基本に忠実な問題である。

ポケットが貫通する症例においてルートセパレーションの
目的が出題された。「清掃性の向上」であった。

<補綴>
フェイスボウトランスファーの問題が出題。
鼻下点と咬合器の咬合器上弓と咬合平面が平行の
図を選択させる問題が出題された。

対合歯がなく、食事中に歯が歯肉に食い込んでいる
対応が問われた。まず行う処置は治療用義歯装着である。

上下顎総義歯の問題で上顎レジン歯の過度な咬耗がみられた。
下顎は金属鋳造冠であり、上顎を金属歯に変更した理由は、
人工歯の摩耗防止であった。

67歳女性。中切歯の亀裂の精査希望で来院。
本人は見た目を
気にせず、自発痛や誘発痛もみられない。
また、電気診は陽性であった。適切な対応は経過観察。
選択肢はラミネートべニアなどである。臨床的な解答である。

プロビジョナルレストレーションの切縁ラインを
最終補綴装置に移行するために必要な方法が出題された。
研究用模型」「シリコーンコア」が正答であり、
正答率が低い問題である。臨床的な術式が出題された。

<口腔外科・放射線>
浸潤麻酔後、筋硬直と意識レベル低下の理由が求められた。
診断は過換気症候群であった。

頸部郭清術の術中で130/80、脈拍80/分から
75/43、脈拍120/分の変化の原因を求められた。
正答は出血であった。血管迷走神経反射は
血圧、脈拍ともに通常低下する。

検査値から異常値読み取る問題が出題された。
血清鉄が17μg/dLの異常値であった。
鉄欠乏性貧血が疑われ、鉄分摂取不足と慢性出血が正答であった。

CTの読影が出題された。
病変が接する部位として眼窩底、鼻腔側壁が正答であった。

72歳。2年前よりみられる白板症の問題の出題。
変化がみられず、大きさも性状も変化がみられ
ない対応として定期的診察、外科的切除が正答であった。
年齢も解答に大きな影響を及ぼす例である。

上皮真珠の対応が出題された。対応は経過観察である。

ビスホスフォネート関連顎骨壊死の問題が出題。
XXタイプの適切な対応で
「腐骨除去」「局所洗浄」「抗菌薬投与」が正答であった。
放射線治療、副腎皮質ステロイド薬投与は誤答である。

下顎角部骨折。神経麻痺がみられた。
診断に有用なものは触覚検査、二点識別域検査であった。

多形腺腫のMRIが出題。発生部位は「耳下腺」
好発部位であった。

抜歯後の治癒不全を主訴に来院。
病理像は癌真珠がみられた。造影CTでは
リンパ節の中心壊死がみられ、転移リンパ節が正答。

ガマ腫の吸引でアミラーゼが検出されることを問う問題。
 CBTでも同様の問題が登録されている。しっかりと押さえておきたい。

胸部エックス線像の読影が出題。
心肥大を読み取る簡単な問題であったが、正答率は
低かった。全身疾患の基本的な知識の確認である。

<小児歯科>
5歳の男児。歯肉腫脹を主訴として来院。
咬合時に痛みがあるという。
適切な対応は切開であったが、正答率は低かった。
選択肢に「抜歯」がみられたためである。
抜歯の可能性も今後はみられるが、切開がある場合には
切開、消炎が優先される。選択肢を吟味する必要がある。

4歳6か月の男児。軽度の自発痛を認める問題が出題。
エックス線像からは大きなう窩は認められない。
生活断髄と抜髄があったが、年齢などを考慮し「生活断髄」が正答。

エックス線像より歯槽骨縁下までみられる
像がみられ、抜歯の根拠、読影をする問題が出題された。

<矯正歯科>
交叉咬合のみられる症例で左右の頬側移動が正答となる
問題が出題された。

7歳の女子。上顎前歯欠損による咀嚼困難を主訴に来院。
上顎前歯部のエックス線検査により歯根形成量は2/3であった。
対応は経過観察であった。

また、下顎は左右Dの欠損により可撤保隙装置が正答であった。
バンドループを選択された生徒さんも多い。
バンドループは左右に用いず
側方歯群交換期まではまだ時間があるため咀嚼の回復が行われる。



東京デンタルスクール
塾長 岡田優一郎 歯科医師
日本大学松戸歯学部卒業 学部長賞 受賞


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