2016年11月16日水曜日

法学部の進級試験対策 予備校



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千代田リーガルスクール、上原です。
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法律の勉強は判例学習が大切です。判例をしっかり読み込んで頑張りましょう。
今日は刑法の問題です(難易度は1~5段階です)。

第1問(難易度3)
問題:文書偽造の罪について、判例に照らして
誤っているものは次のうちどれか。3つ選べ。


a,文書偽造罪は、文書を偽造したことによって特定人に対し具体的な損害を与えて初めて成立する。
b,黒板上のチョークによる記載は「文書」に当たる。
c,文書偽造罪の客体となる文書は、原本に限られる。
d,交通切符における供述書を他人名義で作成した場合において、あらかじめ当該他人の承諾を得ていたときは、
私文書偽造罪は成立しない。
e,父親を満足させるため、偽造の卒業証書を真正のものとして父親に見せた行為は、偽造文書行使罪に当たる。

解答:a、c、d

解説:aについて、判例(大判明治43.12.13)は
、「文書偽造罪は、文書の証明手段としての信用を害することに
より成立し、特定人に対し具体的に損害を与え、
又はその危険を生じさせることを必要としない」旨判示しています。
よって、aは誤りです。
bは正しいです(最判昭和38.12.24)。
判例上、「文書」とは、「文字又はこれに代わるべき符号を用い、
永続すべき状態において、
ある物体の上に記載した意思表示をいう」(大判明治43.9.30)とされていますので、
チョークで書いた文字も文書に当たります。
cについて、判例(最判昭和51.4.30)は、
「文書偽造罪の保護法益に鑑みると、その客体となる文書は
原本たる公文書に限らず、原本の写しであっても
原本と同一の意識内容を保有し、証明文書としてこれと同様の社会的機能
と信頼性を有する限りこれに含まれる」旨判示しています。よって、cは誤りです。
dについて、判例(最決昭和56.4.8)は、「交通切符中の供述書は、
その性質上名義人以外の者が作成することが
法令上許されていないので、これを他人名義で作成したときは、
あらかじめその他人の承諾を得ていたとしても、
私文書偽造罪が成立する
」旨判示しています。よって、dも誤りです。
eは正しいです。問題文の事例において判例(最決昭和42.3.30)は、
「単に父親を満足させる目的のみであったとしても、
偽造文書行使罪に当たる」としています。
なぜなら、「偽造文書の行使」とは、「偽造文書
を真正の文書として使用することによって成立し、
その文書の趣旨に従って使用する必要はない」
と定義されているからです(大判明治44.3.24)。


第2問(難易度:3)
問題:文書偽造の罪について、
判例に照らして正しいものは次のうちどれか。1つ選べ。

a,偽造の運転免許証を携帯して自動車を運転する行為は、偽造文書行使罪に当たる。
b,自己に作成権限のない文書を作成したとしても、当該作成者が公務員である以上、公文書偽造罪は成立しない。
c,市長の代決者たる課長の補助者として一定の手続きの下で印鑑証明書を作成する権限を有する公務員が、その手続きである申請書の提出や手数料の納付のないまま印鑑証明書を作成した。公文書偽造罪は成立しない。

解答:c

解説:aについて、判例(最大判昭和44.6.18)は、
「偽造の運転免許証を携帯して自動車を運転したときは、
いまだ免許証を他人の閲覧に供しその内容を認識し得る状態に
おいたといえないから、偽造公文書行使罪に当たらない」旨判示しています。
よって、aは誤りです。
bについて、判例(最判昭和25.2.28)は、
「公務員であっても、自己に作成権限のない文書を作成すれば
公文書偽造罪が成立する」旨判示しています。よって、bも誤りです。
cは正しいです。判例(最判昭和51.5.6)は、
問題文のような、申請書の提出や手数料の納付のないまま印鑑証明書
を作成場合であっても、その「正確性に問題がない
ような場合には、作成権限に基づいてこれを作成したといえ、
公文書偽造罪は成立しない」旨判示しています。

いかがでしたか。今回は刑法に関する問題でした。
刑法以外にも、憲法、行政法、民法、民事訴訟法、
刑事訴訟法、会社法等さまざまな科目の問題を用意しております。
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