2017年4月28日金曜日

歯学教育 解剖学(下顎骨)、熱膨張係数、クランブリッジ


こんにちは!
東京デンタルスクール 
教務主任の岩脇 清一です。 

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1.下顎骨に存在するのはどれか。すべて選べ。(解剖学)
a 翼突窩
b 咬筋粗面 
c オトガイ孔
d 二腹筋窩
e 顎舌骨筋線 

解答:b,c,d,e

解説:解剖学から、骨学に関する出題です。
試験頻出事項です。早い段階でマスターしましょう。

~下顎骨の主な構造物~
翼突筋窩:下顎頭に存在。外側翼突筋が付着する。
咬筋粗面:下顎角部外面に存在。咬筋が付着する。
翼突筋粗面:下顎角部内面に存在。内側翼突筋が付着する。
下顎孔:下顎枝内面に存在。入口に下顎小舌が存在。下顎管の入口。
オトガイ孔:下顎体外面(第一小臼歯部)に存在。下顎管の出口。
オトガイ棘:前歯部内面に存在。オトガイ舌骨筋、オトガイ舌筋が付着。
顎舌骨筋線:下顎体内面に存在。顎舌骨筋が付着。

ちなみに、翼突窩は蝶形骨に存在します。

2.熱膨張係数が最も小さいのはどれか。1つ選べ。(歯科理工学)
a チタン合金
b 歯科用陶材
c 義歯床用レジン
d タイプIV金合金
e コンポジットレジン

解答:b

解説:歯科理工学から材料の性質についての出題です。
意外とCBTでも狙われることがあります。高学年の皆さんはきっちり押さえておきましょう。

材料の熱膨張係数はおおむね
有機材料(義歯床用レジン、ワックスなど)>金属>無機材料(陶材など)となります。
なので、今回は有機材料である義歯床用レジンを選べばよいのです。
同じレジンでも、コンポジットレジンにはフィラーとして無機材料(酸化ケイ素)が入っているため、その分熱膨張係数は小さくなります。
有機材料の中でも熱膨張係数が最も高いのはワックスです。こちらも併せて押さえておきましょう。
ちなみに、熱膨張係数のイメージは「温度変化で材料がどれだけサイズを変えるか?」ということです。

今のうちからの理解が大切です。

3.クラウンブリッジの力学的要件に該当するのはどれか。
1つ選べ。(クラウンブリッジ)

a 材料の耐食性
b 支台歯の高い保持力
c 周囲歯肉に調和した色調
d 発音を阻害しない舌面形態
e 歯周組織に配慮した辺縁形態

解答:b

解説:クラウンブリッジからクラウンブリッジの要件についての問題です。
ちょうど5つ存在するため、意外と試験で狙われます。(109回歯科医師国家試験での出題実績あり)

~クラウンブリッジの要件~
生物学的要件:歯髄、歯質、歯周組織に悪影響を及ぼさないために必要なもの。
例)二次齲蝕にならない形態、歯周組織に配慮した辺縁形態

力学的要件:補綴物が「壊れない、外れない」ために必要なもの。
例)補綴物の厚み、補綴物が脱離しないような支台歯形態、軸面形態

審美的要件:審美性の問題。
例)周囲歯肉、歯質と調和した色調

機能的要件:咀嚼、発音を阻害しない
例)発音を阻害しない舌面形態

材料学的要件:材料が組織に影響を及ぼさないこと。
例)耐食性のある材料を用いる、材料の生体親和性

ラストです。

4.(     )とは、隣り合う歯どうしが萌出位置を交換したものである。
(    )に当てはまるのはどれか。1つ選べ。(矯正)


a 転 位
b 捻 転
c 移 転
d 傾 斜
e 高 位

解答:c

解説:矯正学より、歯の位置異常についての出題です。
進級試験などでも頻出の事項となります。
コトバの定義を押さえましょう。

~歯の位置異常~

移転:隣り合う歯の萌出位置の順序の交換
転位:正常な位置と異なるところに萌出(頬舌側・近遠心側、順序は正常)
捻転:歯が歯列弓に対して回転しているもの(翼状捻転:上顎中切歯が近心捻転したもの)
傾斜:歯軸が頬舌側、近遠心に傾いているもの。
高位:歯が咬合平面を越えて萌出しているもの。
低位:萌出した歯が咬合平面に達しないもの。
覚えたもの勝ちなので、確実に理解しましょう。

いかがでしたでしょうか?
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執筆
東京デンタルスクール 教務主任
岩脇 清一

監修
東京デンタルスクール 塾長
岡田 優一郎