2026年9月24日木曜日

粘弾性を示す歯科材料 軟質リライン材・ティッシュコンディショナー 第119回歯科医師国家試験 過去問D44

みなさんこんにちは。歯学部現役生(1~6年生)から既卒生まで、マンツーマン個別指導を行っております、東京デンタルスクール 【秋葉原校・松戸校・オンライン個別校】岡田です。

今回は、第119回歯科医師国家試験D44について見ていきたいと思います。

この問題は、歯科材料の「粘弾性」について問われた問題です。材料の名前だけで覚えるのではなく、粘弾性を理解していると非常に解きやすい問題です。


はい、ではまず問題文を読んでみましょう。


粘弾性的性質を示すのはどれか。2つ選べ。

a ポリスルフォン

b アクリル系軟質リライン材

c クリームタイプ義歯安定剤

d シリコーン系軟質リライン材

e ティッシュコンディショナー


答えは……
bのアクリル系軟質リライン材、そしてeのティッシュコンディショナーです。


では、まず今回のキーワードである粘弾性から確認しましょう。

粘弾性とは、その名前の通り、「粘性」と「弾性」の両方の性質を持つことです。

弾性というのは、力を加えると変形しますが、力を取り除くと元の形に戻ろうとする性質です。一方、粘性は、力が加わると時間とともに流れるように変形していく性質です。


つまり粘弾性材料では、力を加えたときにただ瞬間的に変形するだけではなく、時間の経過とともに変形する、しかし弾性的な性質も持っているというところがポイントになります。

歯科で代表的なのが、今回正解になっているアクリル系軟質リライン材とティッシュコンディショナーです。


では選択肢を一つずつ見ていきましょう。

a、ポリスルフォン。これは誤りです。

ポリスルフォンは熱可塑性樹脂の一つです。今回問われているような、軟質材料としての粘性と弾性を利用する材料ではありません。

続いて、b、アクリル系軟質リライン材。これは正解です。

軟質リライン材は、義歯床下粘膜に疼痛がある場合などに、義歯床粘膜面を軟らかい材料で裏装するために使用します。

アクリル系軟質リライン材は、弾性だけではなく、時間依存性の変形を示す粘弾性的な材料です。したがって、bは正解です。


次に、c、クリームタイプ義歯安定剤。これは誤りです。

粘性+弾性を代表する材料ではないため、cは誤りになります。


続いて、d、シリコーン系軟質リライン材。これも誤りです。

同じ軟質リライン材でも、アクリル系とシリコーン系では性質が異なります。国試では、アクリル系軟質リライン材は粘弾性、シリコーン系軟質リライン材は弾性、あるいはゴム弾性として整理しておきましょう。したがって、dは誤りです。


最後に、e、ティッシュコンディショナー。これは正解です。

ティッシュコンディショナーは、義歯床下粘膜の状態を改善する粘膜調整や、機能運動を反映させる機能印象などに用います。咬合力のような比較的短時間の力に対してはクッションのように働き、一方で持続的な圧力に対しては徐々に流動・変形していきます。


特に国家試験では、アクリル系=粘弾性、シリコーン系=弾性という対比は、そのまま押さえておきましょう。


したがって119D44の正解は、
b、アクリル系軟質リライン材、
e、ティッシュコンディショナー、

この2つになります。ということで本日はここまでです。ありがとうございました。


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