2016年3月16日水曜日

矯正と膿瘍 歯科医師国家試験対策


矯正と膿瘍

東京デンタルスクール
03-6807-1546
(メディカルスクール事務局 10:00~23:00・年中無休)


東京デンタルスクール 教務主任の岩脇清一です。
 三寒四温とはよく言ったもの。体調に気をつけながら、今日も頑張りましょう。

定期試験・CBT・歯科医師国家試験対策無料メールマガジンの第17回目!!

「この問題がわからない…」
 そのような際には、学生どうしで気軽に投稿できる無料質問掲示板をお気軽にご利用ください。
http://www.21style.jp/bbs/dentalsc/

さっそく始めましょう!

1.FDI方式で37と示される歯に特徴的なのはどれか。1つ選べ。(解剖学)

a.盲 孔
b.歯内歯
c.樋状根
d.介在結節
e.トリゴニード隆線

解答:c
解説:解剖学から、歯牙解剖に関する出題です。
歯牙解剖は定期試験・進級試験・国家試験で頻出です。
歯科医師のABCといってもいいでしょう。

FDI方式で表される歯式は、永久歯は右上が10番台、左上が20番台、左下が30番台、右上が40番台で、
乳歯は右上が50番台、左上が60番台、左下が70番台、左上は80番台となります。
一の位は歯の順番を示します。
さて、本問の37とは?「下顎左側第二大臼歯」ですね。つまり、この問題は言い方を変えると
「下顎第二大臼歯にみられる特徴はなにか?」ということになります。
ここで、他の形態異常も一緒に見ていきましょう。
・矮小歯・歯内歯・盲孔・斜切痕:上顎側切歯(12・22)
・カラベリー結節:上顎第一大臼歯(16・26)・上顎第二乳臼歯(55・65)の近心舌側面
・斜走隆線:上顎第一大臼歯(16・26)・上顎第二乳臼歯(55・65)
・介在結節:上顎第一小臼歯(14・24)近心辺縁
・プロトスタイリッド:下顎第一大臼歯(36・46)・下顎第二乳臼歯(75・85)の近心頬面
・中心結節:下顎第二小臼歯(35・45)咬合面
・トリゴニード隆線・切痕:下顎第一乳臼歯(74・84)
・タウロドント:下顎第一乳臼歯(74・84)・上顎大臼歯

歯の解剖は基本中の基本です。ここで知識を身につけましょう!!

次いきましょう!!

2.矯正力がすぐに減衰する装置はどれか。1つ選べ。(矯正)

a.チンキャップ
b.アクチバトール
c.急速拡大装置
d.舌側弧線装置
e.マルチブラケット装置

解答:c
解説:矯正から装置と力の関係についての出題です。この分野は定期試験・国家試験にかかわらず試験頻出です。
しっかりと押さえましょう!
矯正力には以下の3つがありました。
1,持続的な力:矯正力がすぐに減衰しないもの
・マルチブラケット装置のアーチワイヤー
・舌側弧線装置の補助弾線
・コイルスプリング

2,断続的な力:矯正力がすぐに減衰するもの
・急速拡大装置

3,間歇的な力:装置を着用している間のみ矯正力がはたらくもの
・ヘッドギア
・チンキャップ
・アクチバトール
・咬合斜面板 など
つまり、この問題は「断続的な力を発揮する装置はどれか?」と言い換えることが出来ます。
ここはグラフを示されても対応できるようにしましょう!!


3.膿瘍腔内に多く存在する細胞の特徴はどれか。すべて選べ。(病理)

a.貪食作用を有する。
b.抗原提示能を有する。
c.IgEレセプターを有する。
d.成熟したものは分葉核である。
e.C5aにより走化作用が亢進する。

解答:a,d,e
解説:病理より白血球の特徴についての出題です。進級試験・卒業試験、国家試験などで頻出の事項です。
ここで正しく理解しましょう。
膿瘍は何性炎でしたっけ?「化膿性炎」でした。化膿性炎で増加する細胞とは?「好中球」でしたね。
つまり、この問題は「好中球の特徴はどれか?」ということになります。
好中球の特徴
・成熟したものは(末梢血に存在するもの)は分葉核である
・貪食作用を有する
・非特異的免疫である
・走化性を有する
IgEレセプターをもつのは好塩基球や肥満細胞です。

ちなみに、eの選択肢についてひとこと。
補体についての知識は大丈夫ですか?
補体の活性化のされ方は次の2通りがあります。
古典経路:C1→C4→C2→C3をC3a、C3bにする→C3bがC5をC5a、C5bに変える→C5bの作用でC5b6789が形成される
副経路:上記のC3からスタートするもの。

それぞれの作用も。
C3a、C5a:アナフィラトキシン(肥満細胞・好塩基球からヒスタミンを遊離)
C5a:好中球・マクロファージの走化性亢進
C3b、C4b:オプソニン作用(抗原を貪食しやすくする)
C5b6789:細胞溶解作用

好中球も補体も試験頻出です。このような問題でも対応できるように対策を深めておきましょう!


4.ストレス反応でみられるものはどれか。1つ選べ。(生理)

a.骨成長が促進される。
b.胃の粘膜血流が増加する。
c.肝臓の糖新生が抑制される。
d.コルチゾール分泌が低下する。
e.胃からのペプシン分泌が抑制される。

解答:,e

解説:生理学について、ストレスに絡めた問題です。
ストレス反応が起こるとどうなるか?交感神経優位の状態になりますね。
交感神経優位の時は
・心拍数、血圧が上昇
・血糖値の上昇(=肝における糖新生の亢進、グリコーゲン分解の促進)
・消化管の働きは抑制

ここでコルチゾール(糖質コルチコイド)についてひとこと。ちなみに副腎皮質ステロイドホルモンです。
コルチゾールは、またの名を「ストレスホルモン」といい、生体にストレスがかかったときに増加し、環境の変化に対応します。
しかしながら、ステロイド薬を常用している患者さん(気管支喘息、自己免疫疾患、クローン病など)では、
副腎皮質からのステロイドホルモンの分泌が大幅に低下しています。そこに外科処置などで大きなストレスが加わると、
「副腎クリーゼ」と呼ばれる重篤な症状を引き起こすリスクがあります。
したがって、ステロイド薬を常用している患者さんの外科処置では、事前にステロイドを多めに服用する
「ステロイドカバー」を考慮する必要があります。(ステロイドカバーについては、102回国試に出題されています。)
ストレス一つから、ここまで話が広がります。
範囲が広域にわたりますが、しっかり押さえておきましょう。

いかがでしたでしょうか?
東京デンタルスクールでは、
大学1年~国浪生までの定期試験・CBT・国家試験対策を家庭教師・個別指導の
両方のかたちで行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。



東京デンタルスクール
03-6807-1546
(メディカルスクール事務局 10:00~23:00・年中無休)
また、ホームページ内の資料フォームからもお問い合わせいただけます。
http://www.dentist-school.com/

[ご注意]
内容に関しては、免責事項となります。
各自成書でご確認ください。